非モテダイジェスト 臨時増刊号vol.1『ほうかごのロケッティア』紹介

今回の非モテダイジェストは臨時増刊号としてライトノベルの紹介をおこないます。

ほうかごのロケッティア (ガガガ文庫)

作者: 大樹連司,しずまよしのり
出版社/メーカー: 小学館
発売日: 2009/12/18
メディア: 文庫

この作品の舞台は南海の離島にある私立高校が舞台です。主人公はオタであるが故に中学校時代はいじめの対象となり、離島の学校である私立イトカ学園に入学することにより過去を隠蔽してクラスのフィクサーとして暗躍するするところから始まります。

高校デビューの隠れオタである主人公・褐葉貴人がクラスのフィクサーとなるなか、超絶美少女の久遠かぐやが転入したが、彼女は主人公の過去を知るものであった。
しかし、彼女にも秘密があった。それは、過去に歌手、クドリャフカとしてデビューしていたのである。だが、現在はとある事情により歌が歌えなくなり、この島へ流れてきたのである。
その後、島のもうひとつの高校である都立イトカ実業高校のロケット研の面々と出会い、貴人がロケットに魅せられていくきっかけとなる。
かぐやの願い、それは自らの携帯を宇宙へ帰すこと。その願いを聞いた貴人はそれをかなえるため、ロケット研と試行錯誤しながら衛星軌道に乗れるロケットを作る。
最後の打ち上げチャンスに彼らのロケットが空へ翔ける。

以上が大まかな流れです。ネタバレを防ぐため、分かりづらいところがあるのはご容赦ください。

この作品の特徴として、スクールカーストというのがクローズアップされています。貴人自身が中学校自体にオタであるが故にすさまじいイジメにあい、なんとか高校デビューを果たすも、そこでフィクサーとしてスクールカーストの操縦を行う形になっています。小説であるが故に誇張があるものの、リア充組に対する負け組として男子はオタ組、女子は腐女子組が存在するありさまが、前半から中盤まではこれでもかと出てきます。
ただ、その皆にとって生きづらいスクールカーストが、高校が単位制に変更されあっさり崩壊するあたり、そう簡単なものなのかと思ってしまいます。
貴人がロケットに魅せられ、衛星軌道を目指してロケット製作に打ち込む中盤から後半にかけては一種のプロジェクトXのノリでさわやかに読むことが可能です。
ただ、読後がさわやかなので、エピローグは蛇足なように感じます。

細かいツッコミ
その1 口絵にはヴェスパに乗る貴人とかぐやではなく、彼らが作り上げたロケットを全て並べてみればよかったのではないでしょうか。
その2 イトカ島地図でイトカ港と南イトカ港が同じ方角にあるのですが、これでは風向き次第で入港地を変更する(例として大島における元町港と岡田港)ことができず、離島において港を複数もつ意味がなくなるのではないでしょうか。
その3 本土から帰るフェリーの1等船室が豪華すぎ(笑)

そして、最大のツッコミどころ

P156より

靖国通りを、クリスマス撲滅、クリスマス反対などと書かれたプラカードをかかげた連中が歩いていた。日本革命的非モテ連盟赤軍派というらしい。意味不明。

以上


日本革命的非モテ連盟赤軍派???

日本革命的非モテ連盟赤軍派???

それ、ウチのことですよね。とりあえずメジャーデビューということでバンザ〜イ!!

………そうですよ。本書の内容などどうでもいいのです。これが言いたかったのです!!